結婚と学問は両立する―ある科学者夫妻のラヴストーリー
本, 石坂 公成
によって 石坂 公成
3.9 5つ星のうち 2 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより) 「照子との結婚は、私の人生で最大の成功であった」結婚も、仕事も成功させたいあなたに贈る「日本のキュリー夫妻」の物語。 内容(「MARC」データベースより) 照子との結婚は、私の人生で最大の成功であった-。ともに免疫学者として半生をアメリカで過ごし、50年の結婚生活をおくった著者と妻。結婚も仕事も成功させたいあなたに贈る「日本のキュリー夫妻」の物語。 商品の説明をすべて表示する
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一気に読んでしまった。永年にわたりメッセージカードの交換を続けた、著者の石坂公成博士と照子博士は、免疫学という基礎医学研究分野における国際的な権威である。毎年春先になると多くの人を苦しめる「花粉症」のようなアレルギーの原因物質Igeを初めて見つけ出したのも、石坂夫妻だ。それも1ドル=360円だった60年代に、アメリカの地方都市の小さな研究所で、ユダヤ系、アフリカ系アメリカ人のスタッフを使って達成したという、科学史上の偉業だった(この時夫妻を助けた唯一の日本人スタッフが、多田富雄博士だ)。本書で最も感動的なのは、石坂博士が、「内助の功」を退け、結婚に当初反対だった照子博士の両親に報いるためにも、彼女をアメリカにおいて一人前の研究者として成功するよう支援してゆくくだり。もちろん実力もあったからこそ、照子博士は日本女性として初めてアメリカの大学(ジョンス・ホプキンス大学)の正教授となるのである。だが、ジェラシーは万国共通で、スタッフが犯した私生活上の過ちを理由に照子博士の研究実績まで再調査せよという声が起きる。すると石坂博士は調査委員長(もちろんアメリカ人)宛てに手紙を送り、彼女の窮地を救う。この手紙は、いかにも自然科学者らしい論述に加えて、不条理を憎み、妻を愛する江戸っ子ならではのタンカであり、まさに胸がすく。数年前に帰国し、照子博士の故郷・山形市に住む石坂博士は、現在「週に五五~五七時間」は、病床に伏せる彼女の傍にいる。この本も「もう意味のある言葉を話すことはできない」照子博士の枕元で校正したそうだ。後年二人でアレルギーの原因を究明するなど思いもよらなかった恋愛時代、20代の照子博士が石坂博士に送った手紙には、こう書いてあった。「いつか〝石坂さんが私にとってすべてである〝と本音を吐いた事がありましたわね。これだけはアレルギーよりももっと判らない不思議な現象です。」
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