描くひと
本, 谷口 ジロー
によって 谷口 ジロー
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内容紹介 生涯を漫画に捧げた「描くひと」の軌跡を、ここに。一九七〇年のデビュー以来、四七年の長きにわたって漫画を描き続けた、谷口ジロー。卓抜の画力を以て、ハードボイルド、格闘、山岳、SF、動物、はては散歩と、漫画のあらゆるジャンルを踏破したその業績は、今もなお光を失うことがない。本書は、谷口がフランスで受けた貴重なロングインタビューを軸にして、生前、交流の深かった人々の証言も交え、その足跡を辿るものである。 内容(「BOOK」データベースより) 一九七〇年のデビュー以来、四七年の長きにわたって漫画を描き続けた、谷口ジロー。卓抜の画力を以て、ハードボイルド、格闘、山岳、SF、動物、はては散歩と、漫画のあらゆるジャンルを踏破したその業績は今もなお光を失うことがない。本書は、谷口がフランスで受けた貴重なロングインタビューを軸にして、生前、交流の深かった人々の証言も交え、その足跡を辿るものである。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ペータース,ブノワ 1956年、フランス・パリ生まれ。BD原作者、小説家、批評家。80年代から幼なじみのフランソワ・スクイテンとともに『闇の国々』シリーズを手掛け、バンド・デシネ原作者として活躍。BD以外にもエッセイ、評伝、映画、テレビ、ラジオドラマの制作など多岐にわたる活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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本書は、谷口ジローに、バンドデシネ原作者、小説家、批評家であるブノワ・ペータースがインタビューをしたものを中心に構成されている。帯には「フランスで受けた貴重なロングインタビュー」となっているが、インタビューそのものは、2011年8月、東村山の谷口のアトリエで行われている。ただし、刊行は2012年フランスのカステルマン社からで、『L’Homme qui desisine』という書名だ。本そのものは、基本的に右開きだが、巻末に『歩くひと〈川を遡る〉』が、フランスコミック「BANG!」に掲載されたままの形で収録されているため、同作は左開きとなっている。そのため、右開きで読み始めると、奥付や編者などの紹介が最初に出てくる。インタビュー「谷口ジローが語る」が「1」から「4」まで。「2」と「3」の間に「谷口ジローを語る1」が、「4」の後に「谷口ジローを語る2」がおかれている。インタビュー全体は総数120ページ、全体の半分近くを占めている。インタビューの「1」は幼少期の思い出から上村一夫などでのアシスタント体験、プロデビューからしばらくの話、「2」は最初のオリジナル作品『ブランカ』や『坊っちゃんの「時代」』『遥かな町へ』などの作品について、「3」は影響を受けた映画や作家、バンドデシネとの関わり、「4」は仕事のスタイルや政治に対する考え方などについて語っている。政治についての部分では、熱意を持って描き続けた自然や動物との関わりといった観点から漫画家として立ち位置を考えていたことが伺える。「谷口ジローを語る」に登場するのは、関川夏央、池上遼一、ヤマザキマリ、久住昌之、豊田徹也らに加え、谷口のアシスタント経験者、担当編集者など。技法などの問題は、プロではない私が述べることではないのでスルーするが、谷口の評価が日本よりフランスで高いことを指摘した中条省平の文章には頷くと同時に驚くことが多かった。特に、死去したさいの「ル・モンド」での扱いと、日本的なノスタルジーに溢れた『遥かな町へ』のフランス版が日本版の2倍も売れていることは全く知らなかった。また、資料については、基本的「捨てない」という部分に、断捨離とは無縁の私は強いシンパシーを感じた。判型も大きく、紙質も良く、おそらく全て4色分解なので引用されている作品がすごく楽しめる。印象に残ったは57、92・93、124・125ページ。特に、モノトーンで描かれている57ページの「水」の質感には息をのんで、しばらく見入ってしまった。
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